オレンズネロの芯が出なくなったんですよ。
使い始めてまだ3ヶ月、手荒に扱ったつもりはないけれど、ノックしても芯が出てこない。ぺんてるカスタマーサービスの「オレンズネロの芯が出なくなってしまったら」を隅々まで読み、付属のクリーナーピンでパイプを掃除するも、芯が詰まっている様子はない。
だとすれば中ですね。中で芯が詰まってる。しかしながら、オレンズネロは軸に繋ぎ目がないので、ここから先は分解できません。
ぬーん。まいった。
書くものに困るわけじゃありませんが、放っておいても解決しない。保証書を確認したところ、「修理は買った店に持ってってね」だそうなので、買った店こと伊東屋グランフロント大阪店に持ち込むことにしました。
梅田に向かう間、むくむくと湧いてくる、ある懸念。なにせ保証書のついたシャーペンを買ったのも初めてなら、修理に出すのも初めてです。どうなの?これ大丈夫??「は?シャーペン修理すんの?」みたいにならない???
むくむくのまま伊東屋のカウンターに着き、おそるおそる用件を伝えまして。
「オレンズネロを修理に出したいのですが」
「あ、はい、どうされましたか?」
普通だ。
こういう世界線があったのか…と感慨に浸るほどに普通でした。さすが伊東屋さん。ありがとう。ほっとしながら症状を伝え、実際に作動を確認してもらい、本体を預けてこの日は帰宅。仕上がり予定は3週間後、思ったよりずっと早い。
オレンズネロ、戻りました
きっかり3週間で電話があり、修理が無事終わったとのことなので取りに伺いました。
やはり、見えないところで芯が詰まっていたのが原因でした。作動の確認をしていると、担当者さんから、やや申し訳なさそうに紙を差し出されまして。
「メーカーさんからなんですけど…」
「オレンズネロの芯が出なくなってしまったら」を始めとするQ&Aのプリントアウト。
うん、これ、隅々まで読んだやつな…。
多分、めちゃくちゃ修理多いんでしょうね。私みたいな、高級文具を使い慣れない人間が「わーいネロかっこいい」で手に入れた挙句、すぐダメにして送っているに違いない。「ちゃんと!正しく!!使うように!!!」というぺんてるさんの強い念を感じます。正しく使ったつもりだったんですけど。すみません。
修理は無償?有償?
今回は保証期限内、かつ正常な使用状態での故障と認められて無償で修理していただけました。保証書がない場合や期間外、誤った使用や不注意による故障は有償の模様。正常うんぬんは出してみないとわかりませんので、とりあえず購入店で相談してみるのがよいかと。
オレンズネロ、やっぱりいいぞ
ネロが帰ってきたので改めて。 何がいいって、とにかくかっこいいんですよ。
マットブラックの硬質な素材、継ぎ目のない12角形のスリムなボディ、手に持った時の心地よい重み。優れた道具としての洗練、モノとしてのかっこよさがすごい。
「ユーザーではない。オーナーになるのだ。」のコピーが示している通り、オレンズネロって「所有することに価値がある」シャーペンなんですよね。「何か困っていることを解決する」タイプの製品ではない。
普通に書くぶんには、GRAPH1000だって十分に優秀で、扱いも楽です。もちろん「細い芯を折れずに書かせる」ことの、技術的なすごさはあって実際に書き味もいいんですけど、0.2ミリで書かなくちゃならない人、ほとんどいないんじゃないかと思う。
マーケットのニーズを汲んで売れるものを作ったのではなく、「こんなこともできちゃうよ!かっこいいだろう!」というぺんてる開発部の心意気の塊みたいなもの。その心意気をただバリッと買う、これはそういうシャーペンなんです。
どうですか。あなたもオーナー、なりませんか。
オーナーの作法、おさらい
さて、2度と故障を起こさぬべく、改めてオレンズネロのサイトをじっくり見たところ、こんな文言が。
オーナー=所有するだけで良いのだろうか? ……いや、そうではない。
研ぎ澄まされているが故に、繊細で詰まりやすいネロ。
ネロにふさわしいオーナーになるためには作法がある。
極めることは必須。なぜならネロはシャープペンシルの到達点なのだから。
ややポエミーですが、要するに「こっちは最高のシャーペンなんやからお前のレベルを上げてこい」って言うてますね。さすがやな。
では上げましょう、レベル。早速サイトに記載されているオーナーの作法のおさらいです。重要なポイントをまとめるとこんな感じ。
- 筆記中にパイプが動いたら残り芯が少ない合図です、この状態で書き続けたりパイプを収納するのはやめましょう
- 次の芯が入った状態でノックして残り芯を出しましょう、出なければ芯詰まりなのでノックをやめましょう
- さあ書きましょうネロ最高
アッ…私、パイプ動いてる状態で書き続けてたわ。芯出ねーなーと思ってノックもしたわ。
そりゃ故障もしますよ。隅々まで読んだってどの口だよ恥ずかしい。
というわけで、ぺんてるさんすみませんでした。ネロごめん。私、きっとよいオーナーになります。
ぺんてる シャープペン オレンズネロ 0.2mm PP3002-A
ぺんてる
今日からあなたもネロオーナー。