7月の付箋報告、後編です。
前編はこちら。
国際会館駅から再び地下鉄に乗り、北山駅に向かいます。
住宅地とおしゃれっぽいショップ、そして畑が華麗なるまだら模様を描く、ある意味で最も素の京都らしいエリア、それが北山です。ほどよく寂れ、ほどよく寂れた状態でずっと踏みとどまり、ほどよく寂れた街が板につきすぎて、かつて京都きってのおしゃれエリアだったと言っても誰も信じてくれない。昔BEAMSの京都店があったんだよ…ほんとだってば…。
街中が栄えるにつれショップの多くがそちらに移動してしまい、その後ウェディングストリートとして再興を試みたり、北山ハロウィンなるイベントを開催して集客するも、ぼんやりと寂れていって今に至ります。
とはいえ、のんびり過ごすにはいいところ。人は少なくパン屋が多い。そして何といっても京都のオアシスこと京都府立植物園があるのです。ここは本当にいつ来ても最&高、老人になったら絶対年パス買って入り浸ろうと思ってる。ちなみに年パスは1,000円です。天国かよ。
あとは茶の菓を掲げてお土産界に君臨する「マールブランシュ」の本店もありますね。ケーキバイキング今でもやってるんでしょうか。学生時代に行ったら2時間待ちの上に制限時間は1時間、着席するなり赤マーカーできっちり分まで書かれた退席時間の紙が置かれ、なんというかケーキの超うまい戦場という感じだったんですけど。
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夕食の予約まで時間があるのでぶらぶらしましょうか、ということで「イノブン北山店」にふらりとインしました。
INOBUN
http://www.inobun.co.jp/
京都における雑貨屋の代名詞のようなイノブンですが、例によって創業文化11年のガチ老舗です。物心ついた頃から知っているとはいえ、せいぜい数十年くらいかと思っていたところ、数年前に店頭で「200th Anniversary」の文字に遭遇してその事実を知りました。ファンシーだからって完全に油断していた。恐るべしイノブン 。
どちらかと言えば「かわいい」テイストの品揃えですが、品数が多いので何かしら欲しいものがあります。今回は買ったものはこれ。
プシプシーナ珈琲のボトルです。プシ猫いいよね。エヌ氏に「絶対使わへんぞ」と何回も言われましたし、自分としても「絶対に使わない」という強い確信があったにもかかわらず買ってしまいました。雑貨は人を愚かしくする。ちなみに購入後2ヶ月が経過した現在、使っていないどころか封も開けていなかったことをご報告します。プシ猫いいよね。目がいいよね。
イノブンを出て北山通を東に行くことしばし。水色の扉が目を引くパン屋がありましてマリーフランス北山店です。寄りましょう。
マリーフランス @北山
市内2店舗、今出川にもお店があります。人気は断トツで薄皮あんパン。群雄割拠の京都あんパン界においても、知名度では3本の指に入るであろうあんパンです。
とにかく餡がぎっしり、トングで持つとずっしり重い。薄皮派には間違いないあんパンでございましょう。この日は「小倉あんぱん」と「焼きもち風あんぱん」を買ってお土産といたしました。
右が小倉あんぱん、左が焼きもち風あんぱん。おひとつ183円なり。
切ったところ。ほぼ餡ですね。
実のところ、この手のあんパンや饅頭を見ると「餡子を食べればいいのでは?」という疑問が湧いてくる非薄皮派の私ですが、薄皮派の家人によれば愚問中の愚問、「それはそれ、これはこれ」とのことでした。大変申し訳ありませんでした。
お店で作っておられるという餡は甘さ控えめで、非薄皮派もぺろっと食べられます。小倉あんぱんは正統派、焼きもち風あんぱんはほんのり塩味の皮。どちらもおいしい。
通販もやっているそうなので、気になる方はお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。
Marry France
http://www.marry-france.jp/
京都市上京区今出川通新町西入ル元本満寺町307パルハイツウエダ1F
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
営業時間:7:00~19:00(平日)7:00~18:00(日曜)
ピッツァ フォールム @北山
お土産も買ったところで本日のメインイベント、「ピッツァ フォールム」に向かいます。とにかくピッツァが食べたいということで全会一致、秘密基地植物園からのアクセスを考慮して決定されました。マリーフランスからは歩いてすぐ、さらに東に進んで二筋め、左に曲がると見えてきます。
イタリア人シェフと日本人の奥様が切り盛りされる薪窯ピッツァのお店。店内は明るくてカジュアルな雰囲気、カウンター席からはかわいいドーム型の薪釜と、シェフがピッツァを作られる様子が見えます。
テーブル席に落ち着きましてメニューを拝見。サラダやカプレーゼなどの前菜、メインのお肉料理やデザートもありますが、品数は多くなく、あくまでピッツァが主役なのだとわかります。さすがピッツェリア。とにかくピッツァが食べたい我々としても望むところです。
暑いのでとりあえずビールとサラダをお願いし、ピッツァの焼き上がりを待ちます。テーブル席からも白いピッツァ生地がぶうんと回されるのが見えまして、いやが上にも期待が膨らみ、むくむくを持て余している間にピッツァもむくむく膨らみ、デデンとテーブルに登場しました。
マルゲリータ・アンチョビ。定番マルゲリータにアンチョビがトッピングされた酒飲み仕様です。食べましょう。香ばしくてモチモチのナポリ生地にたっぷりしたチーズ、トマトの酸味、そしてアンチョビのガツンとした塩気。うまい…うまいよ…ダメだこれ、ワイン必要、ワイン!お願いします!白でキリッとしたやつ!
おいしすぎて語彙力を失い、ワインを得て更にふにゃふにゃになった我々のところに次のピッツァがやってまいりました。
クアットロ・フォルマッジです。チーズはモッツァレラ、パルミジャーノ、ゴルゴンゾーラ、タレッジョとのこと。先ほどのマルゲリータと同じ、モチモチの生地の上で渾然一体となったチーズたち、こうなると私の貧弱な舌で判別できるのはゴルゴンゾーラだけなのですが、とにかくうまいということはわかります。むしろそれしかわからない…うまいよ…ダメだこれ、ハチミツ必要、ハチミツ!お願いします!
おいしいのでどんどん食べたいという気持ちはあるものの、ここで胃の方が満タンになってしまいました。なんてことだ。計4切れしか食べていないのにお腹がいっぱい。エヌ氏が「外付けの胃が欲しい…」と呟いていました。欲しいね…外付けの胃…。
デザートにティラミスをいただきましたが、こちらもビスコッティを使った本格派でした。お店のサイトによるとメニューはローカライズされていないそうなので、本場イタリアの味ということでございましょう。うまいなあイタリア。いいなあイタリア。
会計はひとり4,000円くらいだったでしょうか。お値段はややお高めですが味は間違いなし、おいしくピッツァ欲が満たされます。今回は両方ナポリにしましたが、サクッと薄いローマピッツァもあったので、次回はそれをいただきたい。
今日もごちそうさまでした。
Pizza FORVM
http://www.pizzaforvm.com/aop/home.html
京都府京都市左京区下鴨北野々神町24-2
定休日:火曜日
営業時間:ランチ 12:00〜14:00(LO) ※土日のみ
ディナー 18:00~21:30(LO)